ゆっくりと待つあいだに。

昨年、湘南かまた食堂オーナーシェフ鎌田香さんのスモーク料理本に関わってから
スモークは冷蔵庫に欠かせない存在になっている。

先日のランチはこんなふう。

休日に中華鍋で燻しておいたスモークチキンを
これまた前夜に多めに炊いてあまったので
冷凍しておいた玄米ごはんを蒸して半解凍し
にんじんやピーマン、パプリカ、玉ねぎなど歯ごたえのある野菜と炒め合わせ
豆乳&味噌を加えて煮てから耐熱皿に入れてチーズを散らしてオーブンで焼く。
オーブンで焼いている間はしばし原稿書きなどをする。
ぷ~んとチーズの焼けたいい香りがしたら、お腹もぐ~っと鳴ってくる。

いただきます!

忙しいときも、冷蔵庫に何かがあればすぐに一品出来上がり。
簡単に作っても、ベースとなるものがしっかりと作ってあれば
心が満たされるパワーのある食べ物になる。

反対に、そういったベースがないと料理にもやる気がなくなり、
「丁寧さ」からは遠ざかってしまう弱いワタシ。
勢いつけてエイヤッとやってしまえばあとは楽なので
スモーク作りに関しては特に気合いが入る。
やっておけばあとがラクなのよ~。

先日は、近所のベジコさんのところで味噌づくり。
実家が醤油醸造業を営んでいたにも関わらず
味噌醤油を実際に作ったことがなかったので、この機会にチャレンジ。

米麹に塩をまぜて、あらかじめやわらかく煮ておいた
大豆をつぶしておいたものとこねながらあわせる。
それをひとまとめにして容器に入れて1年間ほうっておくだけ。

そんなシンプルな作り方で来年の今頃には
とても美味しいお味噌汁がいただける。

「麹菌が勝手に働いてくれているからね。
中に何が入っているかわかるし
一度手作りすると既製品が買えなくなってしまう」とベジコさん。

私がしょっちゅう作っているスモークも
しばらく液に漬けこんでから燻し、
すぐに食べないものは1週間くらい熟成させていくうちに
どんどん味が鶏肉になじんで美味しくなってくる。
これに慣れると市販のスモーク製品は買えない。

ゆっくりと待つあいだに
いつの間にか育っている。

湘南に移る前はすべてがスピーディーで効率重視だった。
電子レンジを処分してこちらに来て、
ゆっくりと流れる時間がもつ絶妙の魔法とその恩恵を知った。

ほうら、美味しそうでしょう?
燻している間は前菜タイム。

おしゃべりも熟成されたころに
香ばしいベーコンステーキを召し上がれ。

スモーク、週末、中華鍋で肉を燻す