醸蒸多知修行の旅へ。

昨年、取材して寄稿したあきた白神たびネット「ぶらりぶらりと探す、あきた白神 旅のツボ」冬ヴァージョンの取材が始まります。

今回は、昨年からお願いしていた能代の喜久水酒造さんでの醸蒸多知(かむたち)修行も含まれています。

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醸蒸多知という言葉はどうやら造語らしいのですが、文字の組み合わせがいいですよね。
その言葉の響きに惹かれて志願したのですが、
内容は1週間を同じ釜の飯を食いながら寝泊まりして杜氏と共に酒造りを行うというもの。
日本酒好きにはたまらない企画を
どこで書こうかと探していたら、地元メディアにご縁がありました。
これを機会に、日本酒ファンだけでなく
地元のみなさんにも大切な食文化が地元で紡がれていることに興味を持っていただけたら幸いです。

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宮本常一講演選集「旅と観光 移動する民衆」のオビに、
『旅すること、ほんらいの「観光」の意味とはなにか。』と記してあります。
また、旅とは、旅する者が主体的に風土と人とのかかわりのなかで新たなものを発見することー
とも書かれています。

奇しくも、ここ数年、訪れる場所はそれを意識して訪ねていました。
取材するときは日々、まちに暮らす旅人の視点でいること、等身大の消費者でいること。
旅のなかで光を感じるものをただ見つめる。違和感のあるものは納得がいくまで見つめる。
これはここ数年、変わりないスタンスです。

その結果、光が見えた先にあったのは自然の叡智のほか
今そこに生きている一人ひとりの人生が(その人が)豊か(と感じているの)であれば
その場所はそれで和やかに成立しているということでした。
もちろん、産業を大きくしたり、観光地化をすることで活性化している地域もあるので
どれがいいというものでもありません。

現象として、枠組みを大きくしてそれに沿っていくことよりも
枠組みのないなかから発する自然な取り組みのほうが、ひずみはないように感じます。

人生の豊かさが民族を作るのだと、チェコの作家カレル・チャペックが
スペインを訪れた際に記していますが、まさにその通り。
そして民族意識をがちがちに持ちすぎずに、
必要ならば頑固に執着せずに自身の神様ともおさらばするのだと。
おのおのの相違のそれぞれは愛する価値があるからで、それは人生を何倍も豊かにすると。
わたしたちを分かつすべてのものに、わたしたちを結びつけさせよ!と結んでいますが
分かつものってなんでしょうか。
それは人間が一番取り扱いがしにくくて、反対にしやすくもある
“感情”というものなのかもと、ふと思ったりします。

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融合することがなくても共存できること
艱難辛苦を笑える強さがあること
そんな人たちが住んでいる場所であることを
前回のあきた白神取材で出会った方たちから見えてきました。
初めてあきた白神地域を訪れる方に向けた記事で
私自身も詳しい場所というわけではありませんが
旅人として訪れて、記事の内容以外にも大切なことを受け取りました。
そういったことも伝えられるようにことばの技術を磨かなくては。

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ただいま、あきた白神で体験したエコツアーの原稿を執筆中です。
そして、すぐに現地でみなさんに再会するのが楽しみです。

<お知らせ>

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