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西多摩の秋と、灯台下暗し。

週明け、東京都主催の自然公園活用の集まりで、西多摩を訪れた。

あきる野市から檜原村一帯は秋川渓谷があるため、バーベキューやキャンプなどで有名だが、それ以外にも見どころ、遊びどころがあることをご存知ない方も多いだろう。

写真は、都の天然記念物の神戸岩。

鎖場があるが、晴れた日ならば体力に足腰に自信がない人でも問題なし。石の上は濡れていると滑りやすいので、曇りの日はご用心。まるで大地の割れ目のような大岩は、大獄神社の神域への出入口と見立てられており、神域の戸岩ということで、その名がつけられたという説がある。

パワースポット的な人気があるそうだが、岩の裂け目をくぐるような気持ちで歩いてみると、確かに浄化されるような気分になる。

西多摩はドライブで訪れる人が多いのにもかかわらず、幹線道路から一本入っていかないと面白いものに出会えない。ということで、エコツアーガイドや地域の案内人のみなさんがそのあたりを上手にフォローしているようだった。

こちらは苔庵coquaの苔観察ウォーク&モスアリウムづくり。
苔庵のある、あきる野市養沢は国内に約2000種あるとされる苔のうち、約100種が存在するといわれている。
そんな苔の様子をガイドウォークでじっくり観察し、その後、室内でモスアリウムをつくる。苔はその様子をルーペで眺めるのが面白いので、難しい単語がわからない人も楽しめるだろう。そういう意味では、同行した日本在住の3名の外国人も楽しそうに取り組んでいた。ちなみに、上の写真は私の作品。初心者らしくジオラマ感ゼロだが、なかなか愛らしくて見ているだけでしみじみと秋の苔ウォークを思い出せる。

宿泊したのは、檜原村の兜家旅館。
林業が盛んだった土地らしく、ヒノキ、ケヤキなど立派な材が使用されているのはさすが。築250年、木造4階建て兜式入母屋造りの建物は、どっしりと重厚感がある。
囲炉裏と和室、2間続きの部屋の外は見事な紅葉だった。
こちらは、団体客向けの朝の餅つきが人気があるそうだが、お酒好きな私にとっては選りすぐりの日本酒が13種類もあること、自然派ワインがあることが嬉しかった。

今後オーガニックの宿と謳えるようにしていくと言われていたが、そうなるとさらに食への意識が高い人は目指しやすいのではないかと思う。
オーガニックじゃないとダメというわけではないが、そういったことを実践しているという意識に共感する。

ちなみに、檜原村のこんにゃくは、地元の契約栽培農家さんがつくっているこんにゃく芋からつくった、昔ながらのもの。市販のものとは食感がかなり異なり、ぷるぷるでとろけそうだ。もちろん、宿の食事にも出てきた。

インバウンドの話はこちらでも出たが、多言語で対応できない場合はあまり意識しなくてもよいのではないだろうか。
翻訳先生が手元にあるいま、よいものであれば言葉が通じなくてもチャレンジしたいと思うもの。

里山のコンテンツは年代別というよりも、趣向別が良いのではないかと思う。重層的な引き出しの多さを武器に、小さい商いで長く続くものを(といったら多方面から怒られそうだが)。

例えば、鎖場のある神戸岩や苔庵coquaの苔観察ウォーク&モスアリウムづくり、兜家旅館で過ごすひとときは言葉のわからない人でも楽しめ、里山好きの人なら五日市のいわれと炭焼き、人里地区に興味を示すだろう。
大河ドラマ好きならば、武田と北条の歴史説明からの外国人に人気の野人流忍術修行。
アクティブ派には、裏山ライドTOKYOの自転車ライド。ガイドの神野さんは武蔵五日市駅の駅前で東京裏山ベースという楽しいカフェも経営している。

里山の魅力を伝えつなぐのは、そこに住む”人の”存在だ。

ちなみに川をガイドしていただいたのは、断層と地形に明るい桜澤さん。

インスタ女子には広徳寺の大いちょう。紅葉は、そろそろピークかな。

さらりと書いてしまったが、土地の魅力の感じかたは人それぞれ。興味のある人にはたまらない体験が待っている。

私は、人に会うときにはその人の一番面白いところ、つまりヘンテコなところと触れてみたいと思う。
土地に関しても同様で、実がある、個性の際立っているところに触れてみたい。

どこひとつとして同じものはない。そこでしか味わえないものに触れる経験を重ねていくと、知識、体感覚、感情の幅が広がっていく。
きっとそれらは旅人にとってかけがえのない生きる糧に育っていくはずだ。