映画を観て、ミャンマーを知る

先日、シネマハウス大塚で開催された『映画を観て、ミャンマーを知るvol.2』上映会で、先日ぴあフィルムフェスティバルで大島渚賞を受賞されている藤元明緒監督のデビュー作『僕の帰る場所』新作短編『白骨街道 ACT1』を観た。

ミャンマーといえば、昨年の軍事政権のクーデターからはや1年が過ぎた。コロナやウクライナ侵攻などのニュースでミャンマーのこと(シリア、ウイグル、香港なども)が記憶から少しずつ薄れてきていたところでの、上映会だった。

昨年あたりから思うところあってシベリア抑留の歴史を調べていたのもあり、本作がインパール作戦から撤退した日本軍兵士たちの死体が埋まっている「白骨街道」で遺骨発掘をしているゾミ族の人たちを撮影した短編ということ、そして昨年注目しながらも観に行けなかったベトナム人実習生たちを描いた映画「海辺の彼女たち」の監督の作品であったことで、興味を持った。

ネタバレしてしまうのであまり書けないけど、『僕の帰る場所』は日本で育ったミャンマー人少年がミャンマーに戻り、アイデンティティを探す姿が描かれている。両作品とも、ドキュメンタリーベースのフィクションだが、カメラの位置がとても自然。エスニックアイデンティティや境界に対する意識を強く感じさせる内容だった。いま、必要な視点と思う。

また、撮ってやろうという意志以前に撮らざるを得ない場所に野生の勘?で赴いている藤元監督及びスタッフの引きの強さも感じた。取材者や撮影者は、自分で動けば動くほどそういうものに出会いやすくなる。きっと今後、今の作品に繋がるもの、さらに深めたものを発表されるのではないかと期待している。

ミャンマーを舞台に、過去と未来へと帰っていく、(遺骨となった)かつての少年たちと今を生きる少年をフィルムに残した監督の功績は大きい。

自分は20年以上前にタイに住んでいたことがあるが、隣国であるミャンマーは軍事政権だったのもあり、近くて遠い国だった。当時、スーチーさんが一時的に自宅軟禁を解かれたことが大きなニュースになったのを覚えている。現在は昨年に引き続き深刻な状況であることを想像する。

4月16日から22日まで全国の映画館で上映されるとのこと。この機会にぜひ。

映画を観て、ミャンマーを知るvol.2