新緑の西新宿と、制服の過去。

新緑の日、資料を探しに西新宿へ行く。

西新宿といえば、オフィス街。学生時代、アルバイト情報誌『フロムA』や『an』などを見て応募したアルバイトの面接会場は高層ビルの一室が多かったように思う。都度、上階のレストラン階から眼下を眺めるのが楽しみのひとつでもあった。

スーツ姿で行き交う人たちを見ては自分もいづれはあんな風になるのかなと想像した。実際は丸の内ではあったけど、想像どおりオフィス街の住人にはなった。

とはいえ、上下揃いのスーツを着ていたのは就職活動と新人研修の期間だけだっだような気がする。パンツスーツは持っていたけどベージュの上下だったので堅いオフィスには合わず、ただのお出かけ着だった。今、クローゼットにスーツは1着もない。

20年以上前にいたオフィス街の職場では、パンツは途中から禁止になった。腑に落ちなくて上司に談判したら、若い女性が細身のズボンを履いているのは刺激があると言われ、ベストとスカートの制服を用意をされてしまった。ちょうど友人が大手企業で女性総合職の制服廃止運動をしていたのもあり、そのまま従わざるを得ない自分を情けなく思ったのだった。

ビル群の木々は建物の無機質さに有機的な緑が生えるせいかより季節を感じる気がする。何よりも風に揺れる葉陰が美しい。桜も然り。なぜ、野桜よりも都会の桜のほうがより春を感じるのだろう。