梅雨の晴れ間に、トマトを想う。

トランク内、タオル、ひらひらと。速く乾きそうだ。

夏到来の青い空。湘南の海岸沿いは、海の家が建設ラッシュ。雨の季節が無事に過ぎたら、家のあたりは1年で一番賑わう時期がやってくる。

「夏の移動、大変でしょう?」

よく言われるが、住み慣れると意外とそうでもない。混んでいる場所は、いつの間にか上手く避けられるようになるから。車の移動だってへっちゃらだ。

15年選手の相棒。

重くてもいい、中身が壊れなければ……とリモワのスーツケースを購入したときのことを思い出した。東京オリンピックが近づいてきたからかもしれない。購入したのは、15年前のアテネオリンピック取材のときだったから。

最近はビジネス用バックパックひとつで軽々と出かけることが多くなり、旅程のなかでLCCも利用するから、すぐに重量オーバーになるような重めスーツケースはもう使うタイミングがないかもな、と思い始めたのもある。

先日、久しぶりに傷だらけのリモワを引っ張り出して旅へ。

天草晩柑の口福。

5月。満月の日に、まん丸お月様のような天草晩柑が自宅に届いた。

差出人は、天草で染織を営む光永綾子さん。

地元の草花で布を染める彼女のところを訪れたのは2年前のこと。いろいろあって取材は一度で済まず、再訪して原稿を書き上げたのだが、媒体が急遽終了してしまうことになり、結局、掲載が叶わなかった。そのようないきさつもあり、彼女とはSNSでつながりつつも申し訳ないという気持ちがあった。

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